今夜はお通夜。
その家はいつもこの時間には、うっすら明かりが漏れているだけなのに、今夜は明々と蛍光灯が光っている。
いつもと違う風景。年が離れているせいか(故人は40歳)、正直、本人の顔はよく思い出せない。
目と鼻の先に住んでいるのに、だ。
父と、よくないことだ、などと話す。
今夜きていた人は、みな同じことをいう。
「もったいない」「自分の子のことと重ねてしまう」
ほんとうにもったいない。
私の母は、彼の足を見て、
私の足と同じだといって泣いたそうだ。
親は、子供のために生きている。
こういっていた人もいる。
「子供にとっても生きにくい世の中になっている」
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